The dynamics of pattern matching in camouflaging cuttlefish | Nature (2023)
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これは外界の風景の完全再現ではなく、外界の統計的特徴を抽出し、それを元に自身の模様を変えている
この研究では、人工的な模様or自然の背景を与えてコウイカの模様のパターン変化のダイナミクスを調べた
記録は広視野カメラ(1個)+高解像度カメラ(17個)を組み合わせて行った
撮影した体の模様をUMAPで2次元空間に落して複数グループに分類 ただし、広視野では同じグループに属していても、色素胞のレベルでは違いが見られた
皮膚の模様のパターンは低次元で説明がつくほど単純なモノではない
では、このコウイカの模様と背景の模様の間にはどのような関係があるのか?
コウイカと背景の模様の関係を探るために、
コウイカの模様と自然な背景、それぞれの主成分(PC1)を取り出して相関を調べたところ強い正の相関が見られた
コウイカの模様と空間周波数の異なる人工的な模様で同様の解析を行うと、特定のレンジのみ正の相関が見られた
与えられた視覚刺激に応じて、適切な運動(模様の変化)を行っていると考えられる
コウイカはどのように自身の模様を背景に寄せていくのか(Dynamicsを調べる)
コウイカの模様の時間変化を、次元削減(2D)して観察してみると、同じ個体で同じ刺激でも異なる変化経路を辿る
また、一瞬で目的の模様に変化するのではなく、何度か異なる模様を経由している
仮説としては、
背景の模様が変わる→最初に模様と差分orベクトルを計算→そのベクトルの終点にに近づくように変化
背景の模様が変わる→逐次、模様と差分orベクトルを計算→更新したベクトルに合わせて変化
これを、ある模様から別の模様に変化する際の、模様を次元削減した空間の中のベクトルで評価する
Naa_tsure.iconここの定量化面白いな
Naa_tsure.icon広視野では低次元空間での定量化で模様の更新方法が見えてくる
コウイカは、逐次目的の模様に向けてベクトルを更新し、それに沿って自身の模様を変化させている
高解像度、つまり色素胞のレベルで模様の変化はどのように実現されているのか?
面白いことに、同じ個体・同じ視覚刺激であっても、この色素胞のクラスタリングが変化する
つまり、似たような模様の変化であっても、一緒に変化している色素胞の組み合わせが毎回異なる
Naa_tsure.iconさすがとしか言えない行動の定量化
Naa_tsure.icon手法によらずConsistentというわけではなかったりするように見えるのが気になる
適切な手法をチョイスしているから…でいいのか
Naa_tsure.icon神経を見る前に行動をよく見ることがいかに重要か再確認させられる